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第81話
甘えるように言われて、身体の震えも痛みも俺の理性も、瞬時に何処かへ行ってしまった。
「…じゃあ…優しく抱いてくれないか?」
言ってしまって気が付いて、ぼふっと全身が朱に染まる。
うわっ、恥ずかしい。
なんて台詞を吐いてるんだ、俺。
「斗真、かわいすぎる。
でも…そのお願い…聞けないかもしれない。」
繋がったまま、器用にくるりと俺を反転させた希は、上から俺に被さってキスの雨を降らせてきた。
「んむっ、んんっ、んふっ」
息継ぎの間もないくらいに唇を重ね食まれ、苦しくて少し開いた隙間から捻じ込まれた舌に蹂躙されて、やっと離れた時には息が上がって、半分意識が飛び茫然となっていた。
今、何してる?ここどこだっけ?
目の前に心配そうに俺を覗き込む、長年思い続けた男の顔があった。
「…のぞ…み…?」
「ごめん、斗真。大丈夫か?」
「あ…俺…」
そうだ。希に抱かれてるんだ。
お互いの思いがわかって…心から…身体も結ばれたんだ…
ぽろっ
見開いた目から涙が溢れた。
「うわっ、ごめん、斗真っ?
どこか痛いのか?苦しい?どこだっ?」
俺の涙を拭きながらオロオロする希だが、俺に跨ったままアソコはまだしっかりと繋がっている…
「…違う。どこも痛くないし、苦しくない。
お前と…心から結ばれてよかったと…」
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