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第83話

「ほら、斗真…目ぇ覚めた?起きれる? この角度でどう?クッションこの位置でいい? もう一個持ってこようか? 膝の下に何か入れる?どう? ハチミツ入りのミルクティー持ってきたよ! 飲んでみて。喉に優しいから。」 正直余りにも気持ち良過ぎて意識を飛ばし、やっと目覚めて自分の身体の違和感に気付き、黙ってむくれている俺の世話を希が甲斐甲斐しく焼いている。 簡単に起きれる訳ないじゃんか! 誰のせいだと思ってんだよ!ばかっ! ヤり過ぎだろ?加減しろよっ。無茶苦茶何度も何度も突っ込んで中出ししやがって。 俺は怒っている。でもそれ以上に喉が痛くて声が出せないのだ。 喉だけじゃない。 一番ヒドイのは…腰。少しでも動く度にビリビリと電気が走って、顔が歪むくらいに痛い。 全身が筋肉痛みたいにギシギシ悲鳴をあげている。 いくら日頃ジムに行って鍛えているとは言え、使う筋肉が違うのか? それに…大きな声では言えない…窄まりも…腫れぼったくて、痛いようなむず痒いような。それにまだ何か入っているような異物感が… 余りの痛みに少し潤んだジト目で睨む俺に『ごめんね』とささやいてキスをしてくる恋人。 ズルイ。 キス一つで誤魔化されそうになってる俺はバカだと思う。 色ボケもいいとこだ。 マグカップを持たされて、ふーふーと冷ましながら一口飲み込む。うっ…腰痛い。 あ…甘くて美味しい… 顔に出たのか、ドヤ顔の希の笑顔が目に入る。 慌ててまた仏頂面に戻して、二口、三口… そんな俺を見つめながら希がベッドに腰を掛けた。

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