83 / 1000
第83話
「ほら、斗真…目ぇ覚めた?起きれる?
この角度でどう?クッションこの位置でいい?
もう一個持ってこようか?
膝の下に何か入れる?どう?
ハチミツ入りのミルクティー持ってきたよ!
飲んでみて。喉に優しいから。」
正直余りにも気持ち良過ぎて意識を飛ばし、やっと目覚めて自分の身体の違和感に気付き、黙ってむくれている俺の世話を希が甲斐甲斐しく焼いている。
簡単に起きれる訳ないじゃんか!
誰のせいだと思ってんだよ!ばかっ!
ヤり過ぎだろ?加減しろよっ。無茶苦茶何度も何度も突っ込んで中出ししやがって。
俺は怒っている。でもそれ以上に喉が痛くて声が出せないのだ。
喉だけじゃない。
一番ヒドイのは…腰。少しでも動く度にビリビリと電気が走って、顔が歪むくらいに痛い。
全身が筋肉痛みたいにギシギシ悲鳴をあげている。
いくら日頃ジムに行って鍛えているとは言え、使う筋肉が違うのか?
それに…大きな声では言えない…窄まりも…腫れぼったくて、痛いようなむず痒いような。それにまだ何か入っているような異物感が…
余りの痛みに少し潤んだジト目で睨む俺に『ごめんね』とささやいてキスをしてくる恋人。
ズルイ。
キス一つで誤魔化されそうになってる俺はバカだと思う。
色ボケもいいとこだ。
マグカップを持たされて、ふーふーと冷ましながら一口飲み込む。うっ…腰痛い。
あ…甘くて美味しい…
顔に出たのか、ドヤ顔の希の笑顔が目に入る。
慌ててまた仏頂面に戻して、二口、三口…
そんな俺を見つめながら希がベッドに腰を掛けた。
ともだちにシェアしよう!