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第87話

「なぁ、斗真。俺達、お互いが想い合ってるのはもうわかってるから…身体も繋がりたい、貪るように愛し合いたい。 …で、結果抱き潰してごめん。 ハッキリ言うと『イチャイチャしたい』んだよ、俺はっ! ずっと…お前を絶対に俺のモノにするって決めてたんだ…十年だぞ!十年! 想い続けて、待ち焦がれて…やっと叶ったんだ。 でも…お前の腰が治るまでセックスは我慢するから…俺のこと…構って…」 「希…お前…あー、もう。かわい過ぎること言うなよ… …そうだ。メシ食ったら、一緒に風呂に入って俺の身体、洗ってくれよ。俺一人じゃ今は無理だ。 お前、綺麗に拭いてくれてるんだけど…やっぱり、な?洗いたい… そんで、手ぇ繋いでくっ付いてさ、いろんな話しようぜ。 あの後、空白の十年間、何をしてたのか教えてくれよ。 俺も話したいこと聞いて欲しいことがいろいろあるんだよ。 希…大好きだ。愛してる…」 「斗真…お前ってサイコー! 急いで飯の用意するから待っててくれ。」 希はクッションを置いてダイニングの椅子に俺を座らせると、あっという間に料理を完成させた。 「希、お前随分手際がいいんだな…ずっと自炊してたのか?」 一瞬寂しそうにふっと笑うと 「…後で全部ゆっくり話してやるよ。 さ、冷めないうちに食べようぜ。」 しっかり出汁を取った味噌汁は、料理の得意な俺のお袋のより格段に美味かった。

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