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第91話
夢中になってやってると、カタカタという音と視線を感じた…
うげっ、希?
トレイに載せたコーヒーカップが音を立てて揺れている。
希は…
ドアに凭れて顔を真っ赤にして声もなく肩を震わせて笑っていた。
「何笑ってるんだよっ!いつから見てたんだ!?」
「くくっ…ふうっ…はぁーっ…苦しい…腹痛ぇ。
さっきから…一生懸命な斗真がかわいくって…
そんでもって、足を開いたり上げたりするたびにアソコがチラリチラリと…うーーっ、堪らんわ…」
「ばかっ!すけべっ!何見てんだよっ!
腰痛体操してただけじゃん!見るなよっ!」
「くふっくっくっ…あー、かわいい。
そんなに怒るなよ。ごめんって。
コーヒー…冷めちゃったな。淹れ直してくるよ。
今度はちゃんと声掛けるから。」
うーっ。見られてた…恥ずかしい。
でも…痛みが和らいでる。恐るべし、腰痛体操。
まもなく希がコーヒーを持って側にやってきた。
「さ、斗真。おいで。」
ワザとむくれたまま、希の足の間に入り背中を寄りかからせる。
あ…思ったより全然痛くない。
希は俺に楽な姿勢をとらせてくれ、コーヒーカップを手渡してきた。
「よっ…と。これでいいか。」
希の胸に背中をぴったりとくっ付けて、抱き込まれるこの姿勢…妙に恥ずかしいけどうれしかった。
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