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第95話
「お前ん家、すっげぇラブラブだったのに…
そんなことになってたなんて…
人生って…夫婦ってわかんねぇな…」
「だから余計にお前に会いたくて仕方がなかったのかもしれない。
斗真は『俺だけの家族』にするって思ってたのに、つれない態度取りやがって。」
「『家族』?」
「そうだ。俺じゃダメか?」
希はぎゅうっと俺を抱きしめる。
俺はその腕をそっと抱きしめ返して言った。
「本当に…俺でいいのか?俺は…男だぞ?」
「斗真っ!
お前がいい!お前じゃないとダメなんだ!
男だとかそんなの関係ないんだっ!
お前のいない人生なんて、俺はいらない!
ずっと一緒に…楽しいことも辛いことも…全てを分かち合って歩んでいきたいんだ。」
「それでも…お前んちみたいに…いつか別れるかもしれない…
お前に好きな女ができて…男の俺は、捨てられる…」
「どうして?何で俺の気持ちを否定するんだ?
俺が捨てられることはあっても、俺からは絶対に離れないし離してやらない。
俺はお前を愛している。
斗真、俺と…結婚して下さい。」
希は抱き込んでいた腕を離し、俺の正面に向かい合わせに座った。
「斗真、もう一度言うぞ。しっかり聞いてくれ。
俺と、結婚して下さい。」
プロポーズ?俺に?
俺を見つめる希の瞳が潤んでいる。
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