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第99話

お互いの胸の内を確認した後の希の行動は素早かった。 「朝メシ遅かったから昼はまだいいよな? 買い物もしてくるし俺が帰ってから作るから、ゆっくり休んでて。 ちょっと出掛けてくる…お利口で待ってて…」 ちゅっ とキスをして愛おしそうに頬を撫でて、俺の返事も聞かずにさっさと出て行った。 腰の痛みも忘れてベッドに倒れ込んでしまい、思わず呻き声をあげた。 うっ…いたたたっ…はぁっ… おいおい…何だ? 希、どうした? 何だよ、あの激甘…甘すぎて胸焼けする。 生クリームたっぷりのケーキに砂糖と蜂蜜上から振りかけたくらいに… ツンがデレに振り切れている… そんなに…俺のこと…愛してるのか? うっわーぁー…小っ恥ずかしい… あの調子じゃあ、婚姻届取りに行ったな?きっと。 ヘタすりゃ指輪の手配もしかねない。 あ、でも俺のサイズ知らないはずだぞ? 恥ずかし過ぎてベッドの上で身悶えしてしまう。 ひとしきり悶絶した後、ハッと正気に戻った。 そうだ!兄貴! 電話しなくちゃ。 今なら暇にしてる時間だろう。 少しナーバスな気分で、まず1件めのアドレスを呼び出した。

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