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第109話

希は、さらりとトンデモナイ台詞を吐くと、スラックスのベルトを外し、ジッパーを下ろして、ぶるんと怒張したそれを取り出した。 俺の股間に手を伸ばし、 微笑みながら慣れた手つきで俺自身を取り出すと、器用にくるりと69ができるように身体の位置を変えた。 「今はこれで我慢するから」 突然ダイレクトに感じた下半身の甘い痺れ。 鼻先の雄臭い匂いにクラッときて、俺も思わず目の前で揺れる竿にしゃぶり付いた。 はあはあと二人の荒い息遣いと淫猥な空気が漂う部屋で、俺達は互いに手と口で感じ合った。 いつ誰が入ってきてもおかしくない、鍵も掛からないこの空間が、余計に背徳感を煽り、いつもと違う興奮を呼び起こしていた。 瞬く間に俺は希の巧みな口淫でイってしまった。 そしてそれを追いかけるように俺の口内に叩きつけられた、粘つく濃い液体を全て飲み干した。その後、小さな穴を抉るように舐め尽くし吸い取り、愛おしい気持ちを込め先端にキスをして口を外した。 「斗真…すっげぇ気持ちよかった…お前は?」 「…恥ずかしいけど…気持ち良すぎて…直ぐイってしまったよ。」 「続きは…帰ってからな。」 鼻先をくっ付けて、小鳥が啄ばむようなキスを繰り返す。 その時、誰かが階段を上ってくる音が聞こえた。 マズい。 慌てて離れた俺達は身支度を整え、咄嗟に窓を開けた。 「斗真ー、希くーん」 お袋がドアからひょこっと顔を出した。

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