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第112話
昂ぶる感情が爆発して自分が何をしているのかわからない。
何かに取り憑かれたように、欲望のまま斗真に喰らい付こうとしていた。
その時、斗真が、すーっと両手を伸ばし、俺の頭をポンポンと叩き、背中を撫でながら言った。
「希?どうしたんだ?落ち着けよ。
俺は…どこにも行かない。ずっとお前の側にいるから。
離れないし離さない。
愛してるって言っただろ?
結婚しよう…って言ったじゃないか。
…なぁ、激しいのもいいけど…たくさんキスをして、ぎゅっと抱きしめ合って…俺の中に…お前の熱いのをくれよ。」
はっと我にかえった。
「…斗真…ごめん…何だか…とにかく、ごめん。」
斗真は何も言わずに俺をぎゅうっと抱きしめ、頭を撫でた後、啄ばむようなキスをたくさんくれた。
少しゴツゴツした、でも最高に心地よい肌触りと温もりに包まれて。
俺の荒ぶったココロが不思議なくらいに凪いできて、はぁっ と大きく深呼吸した。
その間も、斗真はずっとあちこちにキスをしてくれていた。
「斗真…」
「ん?どーした?」
「斗真を離したくない、全てが欲しい って思ったら 暴走した…ごめん…」
くくくっ…と斗真が笑う。
「偶然じゃなくて必然だな。俺もそう思ってた。」
ぷちん
固結びにした俺の理性が弾け飛んだ。
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