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恵果 7

火鉢がバチりと音を立て、私は両手を温めてから眼の前にあるお湯を、湯呑みへと注ぐ。 もわりと、湯気が上がった湯呑みを朝陽さんへと渡す。 嫌なところを見られた...そう思いながらも平常通りで、ニコリと笑った。 「お飲みなさい、温まります」 私の手へ、朝陽さんが手を伸ばした。

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