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朝陽 50

子供扱いされた様で悔しかった。 「そんな誘い方、ずるいです…」 ムキになって大きく腰を揺らすと、繋がった先にある染み1つない背中が弓のようにしなった。 背中から項までうっすらと汗ばんだ肌を味わい、耳元で小さく呟く。 「こんなに締め付けて、いやらしい…」 浅い呼吸に合わせて動く腹に背後から手をまわして撫でると、熱に浮かされたような曖昧な声で応えてくれる。 頬に掛かる髪をかき上げて耳朶を口で包み込む。そのまま舌を這わせてゆけば、その声は更に朦朧とした呻きになってゆく。 体をぴったり重ね、さっき見つけた快楽の箇所を目指して動くと、腕に力が入らなくなった様で四つん這いの上半身が崩れた。腰を止めて見下ろすと、突っ伏した恵果さんは頬を着物に擦りつけて潤んだ瞳でこちらを見ている。 「もっと…」と唇が動いた。

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