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恵果 54
「勘違いしないで下さい、貴方は私の守護者ではないです」
どう伝わるかはわからなかったけどこんな汚い争いに貴方を巻き込みたくはない。
それに私は貴方を受け入れて尚他の人とも交わる人間なのだと、知ってまだ恋愛だと言えるのか。
数ある、性交のひとつと捉えてもらえばいい。
「何を…言っているのですか?だって僕はあなたの事が好きで…あなたも…」
その言葉に私は悦びを感じてはいけない。
「貴方の純粋さは私には眩しいです」
目を逸らしてそう呟けば朝陽さんが息を呑む音が聞こえた。
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