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第3話

「ちょっと、こんな所で何してるの?また浮気?」 先輩の背後から僕と同じくらいの身長の男子生徒が腕を組みながら僕を睨みつけている。 浮気? へっ? 先輩とこの人は付き合っているの? 「浮気?キスしてただけだろ?」 「それを浮気って言うんじゃないの?」 「うるさい奴だ。それにお前と付き合うと言った覚えはないぞ違うか?」 「それは・・・・。」 男子生徒は言われた事に反論できなくて悔しそうに下唇をかみしめ目に涙を溜めながら僕を睨んでくる。 あまりにも色んな事が一気に起こりすぎて僕は処理しきれていない。 目の前で起こる出来事を黙って見ているだけだった。 「またね。」 先輩は僕にもう一度軽くキスをすると男子生徒の肩を抱き寄せて目の前から消えた。 どの位その場所にいたのかな分からないけれど手に持っている本の重みで起きていた事は僕の妄想でもなくて現実だと言っていた。 その出来事があってから僕は暫く図書室には行っていない。 またねと言われたけれど先輩にとって僕がどんな存在なのか分からないからだ。 先輩は僕を知らないし僕も図書室で勉強する先輩しか知らなかった。 「また、取り巻き連れて歩いてるよあの先輩。」 「えっ?知ってるの?」 「有名だぜ男女問わず来るもの拒まず去る者追わずで食い漁ってるってな知らないのか?」 「うん。知らな・・・い。」 そんな知らないよ。 図書室で勉強する先輩しか知らないんだから僕はそんな人に想いを寄せていたんだ。

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