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ツンデレラ⑤

「ところでウサギさん。この続きは、どうしようか?どうしたい?」    ここまできて何をどうするって言うのだろう。明らかに目的をもって触れているくせに、俺に強請らせようとする性格の悪さが嫌だ。  けれど、それでこそリカちゃんで、そうじゃなきゃリカちゃんじゃないと思ってしまう自分が1番嫌だった。 「んっ……もう、そのまま挿れろよ。どうせ昨日も遅くまでヤッたんだから、入るだろ」  きっと痛いだろうけど、でも早く欲しくて。疼く奥をなんとか耐えながら、少しの意地で味気なく言い返してやった。  本当はすげぇ熱くて痒くて、リカちゃんのもので思い切り突いてほしいだなんて、口が裂けても言いたくない。  それなのに性悪のくせに実は優しいリカちゃんが首を振る。  いつもは意地悪しか言わないくせに、俺のことを何よりも優先するリカちゃんが、だ。 「それは駄目。お前を傷つけることだけは絶対にしない」 「リカちゃんなに言っ……あっ、や、あうっ」  長く骨ばった指が、つぷりと俺の中へ潜り込み、そして動いた。  優しくて、でもしっかりと存在を主張してくる指。いつも俺の頭を撫で、髪を梳いてくれるリカちゃんのきれいな指。 「んっ、ああ……あっ、や」 「お前を苛めるのも可愛がるのも、泣かせるのも俺しか許さない。どこかのオカマ王子になんて、声すら聞かせたくないぐらい」  その指が追加される。まずは2本目。  でも、良いところは触ってくれない。 「……ふ、はあっ」  漏れる吐息は熱くて、きっと俺がもっとしてほしいと思っていることなんて、リカちゃんには伝わってしまっているはずだ。相変わらず腰は勝手に動いているだろうし、小刻みに震えているのが自分自身でもわかっているから。  なのに、リカちゃんは俺からの『確かな言葉』があるまで焦らすことを止めない。  ゆっくりと。けれど確かに。隙なんて全く見せない的確な指使いは、俺を焦らして、焦らして、焦らし続ける。 「可愛い可愛いウサギちゃん。オカマの王子にも強面の執事にも、誰にも見せたくないのに……はあ」  誰に向けてかわからない恨み言と共に3本目。  新たな指が入り込むと同時に、焦らされ続けていた良いところを抉る。  偶然にじゃなく、それは計画的な犯行だった。 「あっ、イっ……――ひっ、ああっ!!」  すっかりと腫れあがっていた前立腺を抉った指が、限界まで到達する。たかが指とは言ってもそれは深く、まだ開かれ切っていなかった俺の中を、強引にこじ開けた。  そんなことをしやがった張本人が浮かべたのは、嬉しそうな、楽しそうな笑顔だ。 「ほら。またイッた」 「あっ、あぁっ……いぁっ、やだ、やだやだっ」  指だけで2度達してしまい、まともに動けない身体。その状態で後ろから覆いかぶさってこられれば、俺に逃げ道はない。  放置されている性器からは透明な雫が出て、入れられた衝撃で辺りに散る。それを見たリカちゃんが背後で「また掃除しなきゃ……」と呟いていたけれど、もう俺には何も言い返す気力はなかった。

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