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9. Crush on You 2
遮光カーテンの隙間からこぼれる光がいつにも増して強い。今日はいい天気だし、洗濯物もすぐに乾きそうだ。李一くんが起きたら、シーツを取り換えて洗わなくちゃ。
それにしても、よく寝てる。
忍び足でそっと近づいて、無防備な寝顔を覗き込む。さらさらした髪につるんとした頬、長い睫毛。王子様の寝顔は溜息が出るほど愛らしい。
顔を近づければ、小さく吐き出される寝息が鼻をふわんとくすぐる。
ああ、かわいくてたまらない。
途端にドキドキと逸る鼓動を抑えようと慌てて目を閉じてみるけれど、一向に収まる様子はなかった。
どうしよう。触れたい。
李一くんは熟睡しているみたいでこんなに近くにいるのに起きる気配がない。だから、きっと大丈夫だ。
覚悟を決めた俺は、思い切って目を開いた。艶めかしい唇が薄く開いて魅惑的に俺を誘っていて、あっさりと欲望に負けてしまう。
わずかな距離を詰めて、李一くんの唇にキスをした。ふにゃりと頼りなく柔らかな感触に、高鳴っていた心臓の音が一段と大きくなる。
ほんのちょっとだけ。そんな気持ちとは裏腹に、俺は李一くんのマシュマロみたいな唇を味わうように食んでしまっていた。
何度も唇を重ね直しているうちに、きれいに生え揃った睫毛が小刻みに震えて、うっすらと瞼が上がっていく。バッチリ目が合ってしまった瞬間、俺は光の速さで自分の身長分ほどの距離を飛びのいた。
「うわ、ごめんなさい!」
絶対に、怒られる。
俺を侮蔑した眼差しで見つめながら、李一くんはゆっくりと身体を起こす。
土下座しようと正座して両手を床に付いた俺の視線は、李一くんに釘付けになる。
「り、李一くん」
「……なんだ」
不機嫌そうな第一声にも俺はかまっていられなかった。だって、布団を剥いだ李一くんが目の前で勢いよくポンポンと服を脱ぎだしたからだ。
「あの、なんで、脱ぐの?」
「うるさい」
床の上に脱いだ服が折り重なっていく。俺は突然始まった李一くんの魅惑のショウに、ただ呆然と見入ってしまっていた。
大事なところを覆う最後の一枚がぱさりと床に落ちて、勃ち上がってきれいに色づいた李一くんのものが露わになる。ああ、今日は朝からエロさMAXです。
「湊人。こっちに来い」
「は、はい」
低い声で呼ばれて、俺はおっかなびっくり李一くんのところまでにじり寄る。きっとこの後にはひどいお仕置きが待っている。
どうしよう。今日こそ処女を喪失してしまうかもしれない。
「服を脱いで、座れ」
ひええ。やっぱりそうだ。
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