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9. Crush on You 4

ぴゅく、ぴゅく、と李一くんの半身から派手に白濁が飛び散っていく。昨夜たくさん出したからよく飛ぶなあなんてどうでもいいことを思いながら、そんな痴態を見せられた俺は、あれだけもどかしかったのにひとたまりもなく溜め込んでいた熱を吐き出していた。 二人分の白濁が、お互いの肌を濡らしていく。 くたりと力の抜けた華奢な身体を抱きしめながら、優しい快楽の余韻に浸る。 大好きな人とこうして一緒に朝を迎えてエッチなことができるなんてめちゃくちゃ幸せだなあなんて思いつつも、欲深い俺はこのまま李一くんと繋がりたくてたまらなくなってた。 その欲望をどうしても我慢できなくて、俺は自分の身分もわきまえずに口に出そうとする。 「李一くん、あの」 お願いします。挿れさせて下さい。 喉元まで出かかった言葉を呑み込んだのは、きゅるきゅるきゅる……と下の方から小さな音が聞こえたからだ。 李一くんの顔をそっと窺えば、気まずそうに俯いてしまう。心なしか普段より少し幼く見えて、庇護欲を掻き立てられる。 そうだよね。朝も遅いし、いい加減お腹もすくよね。 こんな状態の李一くんを俺がこのまま食べてしまうなんて、絶対にしてはいけないことだ。だから理性を必死に総動員させて、俺は浅ましい欲望をどうにか抑え込む。 「朝ごはん、もうできてるんだ。俺、お腹すいちゃったから、李一くんも一緒に食べてください」 パッと顔を上げた李一くんの瞳は、ゆらゆらと泣きそうに揺れてる。それが意味するものはもうわかってるけど、俺はわざと気づかない振りをした。 「李一くんの好きな卵焼きも作ったんだよ。冷めちゃうし、ね?」 枕元のティッシュを何枚か掴んできめ細かい肌に飛び散った白濁を丁寧に拭っていくと、華奢な身体が小さく戦慄く。一度達したことでますます感度のよくなってる李一くんは本当においしそうなんだけど、まあ仕方ない。 ごはんよりシャワーの方が先だなあなんて思いながら、繊細な皮膚を擦らないように優しく手を滑らせる。その間も、不満を見え隠れさせた顔は俺をじっと見つめ続けていた。 やがて、チッと舌打ちをした李一くんは俺から離れてサイドボードに手を伸ばす。 あれ? 嫌な予感がするんだけど。 そこから取り出されたのは、昨夜俺を散々苦しめた空色のリングバイブだった。 「えっ、李一くん?」 反射的に身を引いたけれど、李一くんは驚くほど敏捷だった。もう復活を遂げて緩く勃ち上がってきている俺のものを素早く握り込んで、根元に輪っかを嵌めてしまう。

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