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10. Love You, too 4
時折膝の力が抜けて身体が崩れそうになるのを必死に踏ん張りながら、七瀬は物欲しげに腰を揺らしていた。
「あぁ、カイくん、挿れてえ……ッ」
なんで俺はこいつとこんなところでこんなことをしているんだ。
指を引き抜けば透明な液体が糸を引いて垂れ落ちていく。荒い呼吸を繰り返しながら、七瀬はこちらを振り返って悩ましげな瞳で俺を見つめた。
「あ、早く……、早くして」
口をついて出た溜息の意味が、自分でもよくわからない。座り込んでロッカーにもたれ掛かれば金属のひやりとした硬さが背中にあたる。
細い手首を掴むと、きょとんとした顔で七瀬は大きな目を見開いた。抵抗するように力の籠もる手を、こちらへ強く引き寄せる。
「いいから来いって」
「カイくん? しないの?」
「立ったまますると、お前がもたないだろ」
忌々しくそう言いながら、もう片方の手で七瀬の水着を引き摺り下ろして脱がせると、素っ裸になって上にぴょこんと跨ってきた。じゃれるように抱きつかれて、濡れた肌と肌がピタリと密着する。
ああ、本当に暑苦しい。
「カイくん! 今の優しさだけで、今月オナニー百回はイケそうなんだけど!」
「やっぱり立て」
「やだ!」
べったりと押しつけた身体をおもむろに離して、七瀬は俺の水着に手を伸ばす。腰周りの部分を引っ張って、腹に付きそうなぐらいに勃ち上がったそれを摘んで取り出した。
「わああ。カイくんのおちんちん、今日もイイ感じ!」
「声がデカイって」
いつもながらに歓喜の声をあげる七瀬もどうかと思うが、こんな状況でしっかりと発情してしまっている自分自身も本当にどうかと思う。
七瀬は腰を浮かして後ろ手に握りしめたそれを何度か緩く扱き上げてから、ゆっくりと体内に埋めていった。
「……あ、あぁ……ッ」
ぬるりとした熱い感触に包み込まれて、ゾクゾクと背筋が震える。七瀬の中は今日も腹が立つほど気持ちいい。
俺の形を確かめるかのように粘膜がぞわぞわと締めつけてくるのを、浅く息を吐いてどうにかやり過ごす。
「あ、カイくん、イきそう……」
奥まで到達した途端、七瀬が泣きそうな声でそんなことを囁いてくる。高窓から射し込む光に照らされた白い肌は、艶を帯びて光っていた。
不安定に揺れる瞳を覗き込む。柔らかな唇を掬うようにキスをしてしまったのは、空腹で頭が回っていないせいに違いなかった。
「──っ、ん、ん……ッ!」
舌を絡ませて吸いながらゆるゆると腰を突き上げれば、七瀬の中がビクビクと強く震え出す。胸から腹の辺りに掛けて、熱い飛沫が飛び散る感触がした。
重ねていた唇を離せば七瀬は首を仰け反らせて喘ぐように空気を吸って吐く。
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