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11. My Heart Aches 2

「カーイくん、エッチしよ!」 放課後に空き教室へと引き摺り込まれた途端、潤んだ瞳でそんなことを口にしながら七瀬が俺に抱きついてきた。その勢いで強引に唇を重ねてくる。 熱い吐息混じりにむにゅりと押しつけられる柔らかな感触。まるで発情したネコだ。 はむはむとひとしきり唇を食んでから、七瀬は俺を壁に押しつけて詰め寄ってきた。 「だって! あの木の棒見てたら、カイくんの棒のこと、思い出しちゃったんだもん!」 「アホか」 「木の棒じゃなくて、カイくんの棒が欲しいよう」 意味のわからないことを口走りながら、七瀬はもう一度飛び上がってキスをしてくる。全く、どうしようもない奴だと思う。 あれよあれよと言う間にベルトを外され、一息に下着ごとズボンを降ろされてしまう。毎度ながら、こういう時の七瀬の敏捷な動きは神業だ。その場に屈み込んだ七瀬は、あからさまに嬉しそうな声をあげる。 「うあ、すごい。勃ってる……!」 うるさい。 かぷりと咥え込まれて、口にするはずの文句は喉元につかえてしまう。ちゅるちゅるとかわいらしい音を立てながら、七瀬は懸命に舌を使ってそこを扱き上げていく。 睫毛、長いな。 間違いなく変態なんだが、こうして見ると七瀬はやっぱりかわいい。しかも上からのこの光景は、視覚的にちょっとまずい。 「──ん、ん……ッ」 眉を顰めながら喉奥まで必死に呑み込んでは舌を這わせていく。一生懸命奉仕しようとする七瀬が、妙に健気に見える。別に俺は七瀬のことが好きなわけじゃないのに、何だかおかしな気になってくる。 揺れる頭に掌を被せてそっと撫でてやると、うっすらと目を開けて上目遣いに見つめてきた。 「……ん、は……っ」 ちゅるん、と口から俺のものを出して息をついたかと思えば、七瀬は膝立ちのまま自分のベルトに手を掛けて、瞬く間にズボンと下着を降ろしていく。ピンと勃ち上がったその先端は、もううっすらと蜜をこぼしていた。 「あ、濡れてる……」 七瀬は溜息を吐くようにそう呟いて、足下に置いたカバンからローションのボトルを取り出し、掌の上にひっくり返す。とろみのある透明な液体がゆっくりと垂れ落ちるのを、キラキラした瞳で見つめている。 なんでそんなものを学校に持ってきてるんだと思うが、それは触れてはいけない愚問だ。 ローションを指にしっかりと絡めてから、七瀬は後ろ手を目的の場所へと伸ばしていく。どうやら自分で解そうとしているらしい。 「あぁ、カイくん、カイくん……ッ」 やがて、たどたどしい水音と共に半開きの唇から俺の名前がこぼれ落ち始める。俺は唖然としながらついる声を掛けてしまっていた。 「おい。やめろって」 「んんっ……だって、カイくんがエッチなんだもん」

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