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13. Up to You 1
目が覚めると、見知らぬパンツを履いていました。
俺の頭の中で、マイクとジョンが話をしています。
ハイ、マイク。これはパンツですか?
ハイ、これはパンツです。
なんて言ってる場合じゃない。
「李一くん?」
大きなクイーンベッドはもぬけの殻で、一緒に寝ていたはずの愛しい王子様が見当たらない。そう言えば昨夜はセックスしてそのまま寝落ちしちゃったんだっけ。
だからこうして素っ裸なわけだけど。
いや、素っ裸という表現は間違いだ。だって、パンツは履いてるんだから。しかも、全く身に覚えのないパンツを。
身体を起こして股間をガン見した状態で、俺は必死に考える。
なんでこんなの履いてるんだろう。
これって、あれだよね。やっぱり李一くんの仕業だよね。
俺の大事なところは、パンツを履いているにもかかわらず剥き出しだ。それもそのはず、これは全くもってパンツとしての用を為さないものだからだ。
Tバック、と言えば聞こえはいい。いや、それもどうかと思うけど、まあいい。
T字に交差する黒い紐が二本。そう、紐だ。そもそも俺の知ってるパンツって、紐じゃなくて布なんだけど。
パンツのフロント部分にあるのは金属製の輪っかだ。左と右と下。三箇所から伸びてきた紐は、金属製の輪っかに結ばれている。その輪っかが一体どこにどう嵌ってるかというと、言わずもがな。
「い、痛い……」
根元にぴっちりと嵌ってるその締めつけで、寝起きのあそこが一段と大きくなった。これ、あれだよね。パンツを脱がないと輪っかが外せないけど、勃ってる限り外せないとかいう、ドSな仕組みだよね。
どうしようどうしようと一人で赤くなったり青くなったりしてると寝室の扉が大きく開いて、俺は反射的に飛び上がってしまう。
ああ、神々しい。
白いバスタオルを腰に巻いただけの状態で、李一くんは颯爽と俺の前に現われた。
髪が濡れてるのはシャワーを浴びた後だからだろう。ちゃんと乾かさないと風邪ひいちゃうのに、とつい心配になる。
「なんだ、起きてたのか」
そう言う李一くんの目線は俺の顔よりもずっと下に向けられている。起きてるって、そっちのことですか。
「そんなの付けて勃たせてるなんて、やっぱり変態だな」
俺の生理現象を罵りながらゆっくりとこっちに歩み寄ってきた李一くんは、バスタオルを空に放り投げ、惜しげもなく清らかな裸体を曝け出してベッドに膝を付く。カーテンの隙間からこぼれる朝日が李一くんを照らして、まるで後光が射してるみたいだ。
つい見惚れていると、ドンと力強く肩を突き飛ばされて仰向けに寝転んでしまう。
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