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第13話
けれど、もう学に嫌われるようなことはしない。
自分の気持ちを押しつけたりしないと、旭は決めていた。
だから、不安でいっぱいであったものの、学に問い質すようなことはせず、必死に我慢した。学のために、近くの神社で合格祈願のお守りを買って、渡した。せめて、学が高校を卒業するまでは、同情でも何でもいいから、恋人としていたかった。
そして、学の受験は無事に終わり、第一希望の大学へ合格をした。お祝いもしたし、一人暮らしの部屋も一緒に探しに行った。一緒に居られる短い時間を共有しながら、卒業までのカウントダウンに、旭は一人落ち込んでいた。
そうして、とうとう恐れていた卒業式となったのだった。
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