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次々と花開いていく快美感に我を忘れる。
「っあ、やぁっ、ま……っふ、」
直に性器を包まれて仰け反る。
とっくに知られている弱みをいじめられれば、ひとたまりもない。
パサパサと髪を散りばめる微かな音も、濡れた音に掻き消される。
急速に登りきった頂の後も、尚責められる。
重ったるい水音と荒い息。
静かな室内によって殊更響き、聴覚からも侵食される。
踊らされる。
内部を蠢く男の指に。
男のすべてに。
シーツに深くシワを描く扇情的な姿に、男が無意識に口角を舐め上げたとは知らず。
「も、もぉ……」
嗚咽ながらに音を上げても、やはり許されず。
増やされた数に噎び泣く。
思い通りに動かせない腕に焦れつつ、震える指先を男の頬へ。
包まれると同時に掌に口づけを落とされ、次いで喘ぐ口唇にも。
歯列を、口蓋を、頬の内側を。
絡められ、痺れる舌を甘噛みされる。
「……ぁ、」
「一磨」
当てられる質量。
「っぁああ……あ、あ、あぁ……っ!」
息を飲んで涙の膜を張った目を見開いた時は、遅かった。
埋め込まれる灼熱に崩される。
知らしめられる。
グズグズに蕩けた内部にある存在を。
意図せず吐き出した欲を、気ままに指で辿られ腹に広げられる。
その感触にすら、漏れる声。
「りゅ……ン……ぁは……っ」
引き攣りながらも息を吐く一磨を、男は待つ。
「ぅじぃ……」
「……ん?」
したたる汗にも肌を震わせて。
ちいさな囁きも、確かに掬ってくれる。
油を差したようにギラつく瞳を見上げて。
もどかしく、わななく唇を触れ合わせる。
彼が見出してくれなかったら、今の自分は──居ない。
「あ、んンッ……ありが、と……俺を、見つけて、くれ……ぁっゃあぁあああッ!!」
一気に奥まで突き入れられ、言葉を見失う。
コレ以上は無理なのに。
膨らんだ嵩に、ナカをいっぱいいっぱいにされる。
「……クソッ!」
漏らされた吐息は耳で拾えず、渦に飲み込まれる。
振り絞った痩身を強く抱きこまれ。
「あんた、本当に……」
送り込まれるリズム。
なす術はなし。
「あ、あ……あぁぁ……」
再び果てても、止まぬ律動。
引き戻される、弾けたはずの意識。
時折探るようにして回される腰に、当の昔にオーバーヒートした身体の存在を忘れる。
「っぁ……あ……あ……」
上り詰めたはずなのに、グズグズに溶けた内部をさらに掻き回される。
重点的に攻められるシコリに声もない。
どこもかしこも男のニオイに包まれ、酔う。
遠くで息を詰めた声を拾い、奥で弾ける飛沫(しぶき)。
「ああぁ……」
掠れて尾を引いた余韻をも楽しむかのように、掻き抱(いだ)かれる。
──ツヨク。
しゃくり上げる喉を宥めるようにして落とされる、触れるだけの口付け。
「一磨……」
「ン……りゅぅ……っ……」
甘ったるい名残を盛大に引き摺って、未だ抜け出せないヒクツキに恐れを為す。
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