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『ありがとうございました!!』 白石が入って一ヶ月。 俺の今日の指名客は10人。 なかなかの人数で、さばくのは結構大変だ。 カットは俺がするが、カラーを塗ったりシャンプーをしたりするのはアシスタントがしてくれるから助かるんだけど… 『へぇ、白石君っていうんだ。新人さん?』 『そうなんです。よろしくお願いします。』 『カットはまだできないの?』 『はい。まだまだです。カットができるようになった時にはぜひご指名お願いします。』 ニッコリと客に向ける笑顔が眩しい。 って、俺はなんでアイツに見惚れてるんだ? なかなかの客さばきでお客さんも満足そうだ。 いい新人が入ったな…なんて。 使えるやつ以外はいらないと思っていたのでよかった。 『白石なかなかいいね。』 『あっ…俺も思いました。』 店長が話しかけてきたので俺も答える。 『あとはカットの腕見てって感じかな?今日夜時間ある?』 『ありますよ。』 『よし。じゃぁ平岡も残って。一緒に白石のカット見てよ。』 『はい、わかりました。』 そして俺は白石のカットチェックに立ち合うことになった。

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