5 / 81
5
『ありがとうございました!!』
白石が入って一ヶ月。
俺の今日の指名客は10人。
なかなかの人数で、さばくのは結構大変だ。
カットは俺がするが、カラーを塗ったりシャンプーをしたりするのはアシスタントがしてくれるから助かるんだけど…
『へぇ、白石君っていうんだ。新人さん?』
『そうなんです。よろしくお願いします。』
『カットはまだできないの?』
『はい。まだまだです。カットができるようになった時にはぜひご指名お願いします。』
ニッコリと客に向ける笑顔が眩しい。
って、俺はなんでアイツに見惚れてるんだ?
なかなかの客さばきでお客さんも満足そうだ。
いい新人が入ったな…なんて。
使えるやつ以外はいらないと思っていたのでよかった。
『白石なかなかいいね。』
『あっ…俺も思いました。』
店長が話しかけてきたので俺も答える。
『あとはカットの腕見てって感じかな?今日夜時間ある?』
『ありますよ。』
『よし。じゃぁ平岡も残って。一緒に白石のカット見てよ。』
『はい、わかりました。』
そして俺は白石のカットチェックに立ち合うことになった。
ともだちにシェアしよう!