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11 陸side
俺には好きな人がいる。
それはずっとずっと昔から見ていた人。
元々人見知りが激しくて内向的だった俺は、人と話すことも苦手で好きな女の子ができても声をかけることすらできなかった。
そんなある日、俺は男に恋をした。
中高一貫校で、中学の頃から見ていた先輩はみんなに人気で…
名前知りたいな…そう思うけど自分で聞く勇気なんてなくて。
ましてや男が好きだなんて…自分でも引いているのに誰かにバレでもしたらマズイとずっとずっとその気持ちは心に秘めていた。
高校に上がり、先輩を見つけるとすぐに隠れる俺。
胸はドキドキと高鳴り、本当に好きになってしまったと戸惑う自分。
男になんて…
何度もそう思うのになぜだろう。
好きなんだ。
ある日、女の子達がしていた噂話を耳にした。
「あそこにいる三年生の平岡啓太先輩ってどんな子でも受け入れてくれるんだって!!私声かけてみよっかな。イケメンだし、セックスうまいって聞くし。」
セッ…セク……
そういうことに疎い俺はその言葉を聞いただけでも倒れてしまいそうだった。
だけど、一つ知れたこと。
先輩の名前は平岡啓太だということ。
それだけで俺は満足だった。
満足だったのに…
人間というのはなぜこうも貪欲なのか。
名前を知れば、今度はどこに住んでいるのか…
好きな食べ物は?
趣味は?
色々と知りたいことが溢れてくる。
気がつけば俺は平岡先輩を追っていて、傍にいたいなんて思っていて…
ある日、俺は告白した。
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