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14 陸side
三年間のアシスタントを経て、カットを始めて三年。
毎年のように潰れる美容室。
ほんとどうなってんだよ。
行き場の失った俺の目に飛び込んだアシスタント募集の貼り紙。
俺は急いで履歴書を記入し、そのサロンへと郵送した。
店の名はアンジュ。
さほど大きくない店だが客足は絶えず、少し覗いてみたところ店長さんらしき人も人が良さそうだ。
面接の連絡をもらい店に足を運ぶ。
内装も俺好みでなんだかワクワクした。
店長一人での面接。
自分の長所を精一杯アピールして面接終了。
結果は即採用で、明日から来て欲しいとのことだった。
前職場がなくなってしまった俺にとってはラッキーな話で、さっそく次の日から出勤した。
『おはよーっす。』
そう元気に挨拶して入ってくる男性。
あれ?どこかで…
そう考える間もなしに紹介される。
『あっ…どうも。よろしく。』
『よろしくお願いします。』
挨拶を済ませ店長が呼んでいた名前を頭の中で思い出す。
平岡…平岡……
!!
平岡先輩!?
まさかの忘れられない人が急に目の前に現れ俺は動揺する。
でもそんなことも許されないぐらい厳しい平岡先輩の教え。
これは一発で覚えないといけないパターンのやつだ…
何度もサロンを変わっているおかげで先輩スタッフとのコミュニケーション能力はズバ抜けていいはずだ。
あれをあぁして、こうして…
よし、なんとか覚えたかな?
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