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37 陸side
『ありがとう。よかったわ、そう言ってくれて。これでお父さんの出世も間違いなしね。』
『うん。じゃぁ。』
電話をソファに放り投げてベッドに寝転ぶ。
泣きすぎて頭が痛い。
今日は月曜日だから休みだ。
『今日休みでよかった…』
鏡を見るとグチャグチャな顔で情けなくなった。
昨日、気が済むまで泣き続けたからな…。
先輩には彼女がいる。
それは事実でどうすることもできない。
だったら…
昨日の縁談にOKを出してもいいんじゃないだろうか…という結末に辿り着いた。
そもそも男が好きだなんておかしいんだ。
だってそうだろう?
結婚もできなけりゃ、子供も授かれない。
一緒にいる意味あるのかな?
これでよかったんだ。
親も出世するし、安心する。
みんなが幸せになれるんだ。
俺は、彼女と付き合うことにした。
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