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この前千秋を家に呼んで相談した。
白石のことが忘れられないけど、どうしても素直になれなくて声をかけられないこと。
白石の服が汚れた時に、ロッカールームであった出来事を話すと驚かれた。
そりゃそうだろ。
俺も自分でやっておきながらビックリしている。
忘れてくれと言われたあの出来事が頭の中でグルグル回る。
そして千秋が俺を彼氏と言った時の白石の泣き顔。
目を真っ赤に腫らしながら大嫌いだと言われた。
その顔がどうしても頭から離れない。
なんなんだよ…
お前はどうしたいんだよ…
そんなある日、店長と飲みに行った。
『最近どう?』
『何がっすか?』
『色々と。』
『色々?』
『コッチとか?』
そう言いながら店長が小指を立てる。
『あぁ…女っすか?今いませんよ。』
『あれ?前に美容室来た子は?』
『別れました。』
『お前ほんと取っ替え引っ替え好きだね。いつかバチ当たるよ。』
『いや、もう当たってます。』
『えっ?なんかあった?』
『本当に好きな子には振り向いてもらえないというか…』
『あれ?珍しく純粋なこと言ってんね。』
『俺はいつも純粋ですよ。』
笑いながら酒が進む。
ほんと、これバチ当たってんのかも。
『あのさ、白石の彼女知ってる?』
『は?』
『白石彼女いるらしいんだけどさぁ…どんな容姿かとか教えてくんねぇんだよ。』
そう言いながら店長が携帯をいじっている。
アイツ彼女いんのか?
って、そりゃあんだけ女取っ替え引っ替えしてたらいくらでもいるわな…
そう思いながらもなんだかムシャクシャする。
『あれは結婚すると思う。』
『結婚!?』
『おう。政略結婚な。なんでも親父さんの上司の娘さんらしいぞ。』
マジじゃん。
それマジのやつじゃねぇか。
なんだかイライラして酒をグイッと煽る。
『お前飲み過ぎじゃねぇ?』
『いや、大丈夫です。』
店長が帰ってからも一人飲み続けた。
結婚か…
結婚しちゃうともうダメだな…
手遅れだ…なんて。
結婚するもしないも白石は俺のことが嫌いで、付き合えるなんてことないんだから…
ありもしない妄想に耽りながらその日は飲みまくったのだった。
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