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第55話
『散らかってるけど入って。』
飲み物や食べ物を適当に買って、家へと帰ってきた。
『お邪魔します。』
正直白石を家に入れるのは緊張する…
『適当に座って。』
そう言いながら買ってきた物を机の上に出して行く。
『平岡さんの部屋、綺麗ですね…』
『え?そう?雑誌とか散らかりまくりだけど。』
『いや、俺の部屋酷いですよ。』
『じゃぁ今度見せてよ。』
『…いいですよ。』
自然な流れで白石の部屋に行く約束を取り付けた。
いや、社交辞令でいいですよ。と言っただけかもしれないけど…
『早速だけど、イメージ詰めるか。』
撮影したものを見ながらあぁでもない、こうでもないと意見を出し合う。
このまま襲ったりなんかしたらきっと軽蔑されるんだろうな…と白石を見る。
とにかく近くて、家に呼んだのを少し後悔した。
ある程度話し合いが終わり、落ち着いたので声をかける。
『なぁ、どうする?』
『どうする?とは?』
『泊まる?帰る?』
『えっ!?あっ!!泊ま…!?』
『いや、こんな時間だし。』
時計を見ると2時を廻っていた。
『あ…か、帰ります…』
荷物をまとめ始める白石の様子を伺う。
『な、なんですか!?』
『いや、本当に帰るのかな?と思って。』
『か、帰りますよ!!』
『泊まれば?』
『そんな!!悪いですから…』
『何もしないって約束するから…』
そう言うと白石は持っていたカバンを床に置いた。
『風呂沸かそっか?入るだろ?』
そう問いかけると白石は無言で頷いた。
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