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『お前なぁ…加減を知れよ。』
そう言いながらも喜んでいる俺。
白石の肩を自分の方へグッと引き寄せる。
『いや、だから一人で歩けますって。』
そう言いながらも白石は俺に体を預ける。
もう…なんなんだよ。
お前はそんなに俺の気持ちを弄んで楽しいか!!
そうツッコミたくなる。
『ほら、家着いたぞ。』
『ありがとうございます。』
『じゃぁな。』
『あの…』
『ん?』
『家…寄って行きますか?』
『は?』
『昨日…部屋見せるって約束したんで。』
白石の言葉にドキドキが止まらない。
なんだよ…
社交辞令じゃなかったのかよ。
『寄ってく…』
ボソリと一言だけ言うと白石の後に続いた。
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