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63 陸side
綺麗になった部屋をただ呆然と見る。
きっと大変だったに違いない…
はっ!!
と急に思い出し、机の引き出しを開ける。
そこには高校生の頃の先輩と俺が写った写真。
『見られてねぇよな?』
写真を裏返し最近書いた文字を見る。
先輩への気持ちが溢れ出し、でも口には出せないからと最近書いたのだ。
《大好きな平岡先輩》
その写真を大切に抱きしめて、もう一度引き出しへと戻した。
さて、俺は何をしようか…
ふとベッドに目をやると、可愛い顔をして眠る先輩。
高校生の頃、一度だけ体を結んだ時に見た寝顔だ。
あの時俺は、ドキドキしすぎて眠れなかったんだっけ?
ベッドにそっと近付き、耳を澄ませて寝息を聞く。
その一定のリズムを聞いているだけで心が癒されて、幸せな気分になる。
俺がここで先輩に何かしちゃったら先輩はどう思うのかな?
少しだけ髪を撫でてみた。
全く動かない先輩に味を占めて、もう少しだけ…と、頬に指を触れる。
「ん…」と少し声を上げモゾモゾする先輩に欲情した。
俺バカだ。
自分から触っといて我慢できなくなってる。
ダメだダメだと、首を横に振りベッドに背を向けるように座るとテレビのリモコンのスイッチを押した。
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