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66 陸side

---5分前--- 『えっ?それほんとに言ってますか?』 『なんで?平岡さんに見てもらえばいいじゃん。』 『いや、それはちょっと…』 『なんでさ。俺らが見るより腕ある人に見てもらった方がいいって。』 『でも…』 『お先。』 『あっ…ほら、早く後追って!!』 『は、はい…』 『平岡さん!!!』 『ど、どうした?』 『いや…もし時間があるなら、少し見てほしいな…と。』 なんだかわけがわからないというような顔をした平岡さんを店内へと連れて行く。 『えっ?なに?』 『あのね、白石の結婚式の花嫁さんのヘアセットなんですけど…見てやってくれません?』 『はぁ?なんで俺?』 『いや、やっぱ平岡さんセットとかも上手いんで、見てもらったらどうかな?と思って…。な?白石。』 『は…はい…』 俺はそんなの一切頼んでない。 何が嬉しくて好きな人にこんな物を見てもらわないといけないのか… 『悪いけど俺帰るわ。』 『えっ…ちょっ!!』 『平岡さん!?』 『…』 俺は何も言えぬまま平岡さんは帰ってしまった。 『えっ?なんで?』 『俺らなんか悪いこと言った?』 『予定あっただけじゃね?』 みんななぜ帰ってしまったのかを口々に話している。 なぜ帰ってしまったのか俺も気になる。 気になるけど…そんなの聞けない。 俺はその日、なんだかモヤモヤとしながら家路についた。

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