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挙式はチャペルで行われるらしく、俺たちはチャペルの中のベンチタイプの椅子に座った。
本当に結婚しちまうんだなー。
グルリと周りを見渡しながら溜息をつく。
『どうした?』
店長に聞かれ驚いた。
『いや…なんでも…』
『お前さ…』
『なんですか?』
『これでいいの?』
『何がっすか?』
『白石、結婚しちゃうけど?』
『えっ!?』
『間違ってたら悪い。お前…白石のこと好きだろ?』
『えぇっ!?』
『シィー!!声でけぇよ。ちょっと表出るか?』
そう言われ、まだ始まるまで時間があったので俺たちは外に出た。
『店長…』
『ん?』
『なんでそれ…』
『あのなぁ…お前と白石見てたらわかるよ。』
やれやれ…と言わんばかりの表情で店長が言う。
『冗談…』
『冗談なわけねぇじゃん。現に俺が当ててんだから。』
『まぁ…そうですけど…』
『で、どうすんだ。』
『どうすんだって?』
『白石もお前のこと好きなんだろ?だったら結婚なんて辞めさせろよ。』
『いや…俺たちはもう手遅れなんですよ…』
『はぁ?まだだろ。』
『いや、こっちがはぁ?ですよ。』
『結婚式の途中で止めりゃいいだろ。』
『えっ?何言ってんすか?』
『ベタだけどな、ドラマみたいにこう…ちょっと待った!!的な…』
『それこそ冗談…ですよね?』
『いや、本気。あいつらもみんな応援してる。』
そう言いながら店長が指をさす方を見るとチャペルの入口からスタッフ達がこちらを見てニヤニヤしていた。
『えっ?あいつらも知ってんですか?』
『今日な、お前が電車で寝てる時にそういう話になった。お前、白石の花嫁さんのヘアセット見ずに帰ったんだってな。みんなそれで怪しいと思ったって。』
あぁ…やっちまったなぁ…
と、頭を抱える。
『でもな、みんなはお前と白石の味方だから。』
そう言われ、少し泣きそうになった。
店長に背中を叩かれ、俺は決心した。
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