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チャペルに音楽が鳴り響く。 入口の扉が開いて、神父、白石に続き、新婦と父親が腕を組んでバージンロードを歩く。 周りの人達は感動する場面に涙していて、俺がこれからしようとしていることなんてきっと予想もしていないハズだ。 きっと白石だって… いや、俺だってそんなことをするつもりはなくて、泣く泣く白石の結婚式を見るものだと思っていた。 だけど、先程の店長の言葉に背中を押され、俺は白石を新婦から奪うと決めた。 誰がなんと言おうと俺は白石を離さない。 そう決めたのだ。 全ては後からちゃんと決めればいい。 とにかく今は… この結婚式から二人で逃げる。 音楽が鳴り止むと同時に白石と新婦が二人並んで神父の前に立つ。 神父の言葉と共に結婚式が始まった。 みんなで立ち上がると讃美歌を歌い、歌い終わると席についた。 神父が言う。 『誓いの言葉。』 俺は息を飲んだ。 『陸。汝は、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、 共に歩み、死が二人を分かつまで、愛を誓い合うことをここに誓いますか?』 『………ち…』 『陸!!!』 俺は立ち上がり叫んだ。

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