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第6話

「天ちゃーんっ!!」  翌日、昨日のもやもやを聞いてもらおうと朝から保健室へ向かった。  ガラリと勢いよく、音を立ててドアを開けると同時に大声で名前を呼んだ。・・・失礼だと思われてもいいもんね、とそんな気を遣う心の余裕なんて今の俺にはないもん・・・って自分で『もん』って使うと気持ち悪いな、と内心呟く。 「・・・海斗、なんでそうお前は騒がしいんだ。」  天ちゃんから呆れられても別に何とも・・・いや、迷惑だという視線は案外傷つくので、今度は少しボリュームを下げてから入ろう。「天ちゃん、ごめーんね?」と軽い謝罪をする。 「悪いなんて思ってねぇだろ?・・・まぁ、今は誰も居ねぇから良いが・・・。」  天ちゃんは座れ、と言う様に椅子を出してくれる。なんだかんだ優しいなー、と小さく笑いながら、素直に腰を下ろした。 「・・・で?昨日、言ったんだろ?」 「蓮さんから、・・・聞いた?」 「嫌、アイツから聞いてはない。カンってか、俺が吹っ掛けたからな。」  小さく苦笑を零す天ちゃんに、それもそうか、と頷きながら、昨日のことを思い出す。はぁ、と思わず溜め息が零れた。そんな俺の様子に結果が分かったらしい。 「どうせ、心配し過ぎ、とでも言われたんだろ?」  ズバリと昨日の蓮さんの言葉を当てる天ちゃん、さすがは親友と言ったところか、と少し感心しつつ、もやもやが更に膨らんだ。 「そーなんだよ!!心配し過ぎって・・・俺が蓮さんのこと心配しちゃダメな訳?ってか、あれで何もない、とか・・・そんな訳、ないじゃんかぁー・・・。」  天ちゃんの前でみっともなく泣き出してしまった。天ちゃんもさすがに予想してなかったらしく、一言素で「泣き方が汚い。」と辛辣な言葉を俺に投げた。・・・そんな追い打ち掛けなくてもいいじゃんか、と言おうと思ったが、涙がどうしても止まらなかった。  話出来ねぇだろと、天ちゃんは「1,2限サボれ。泣き止んだら話聞いてやるから。」と急にいい先生っぽいことを言ってのけた。・・・まぁ助かったので、似合わないな、という言葉は胸の内にしまっておいた。  ・・・でも、そのことで更に蓮さんを追い詰めるなんて、今の俺には分からなかったんだ。

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