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第7話
あれ以来、龍之介は俺に近寄らなくなった。そして俺らは進路について考える時期にきていた。
龍之介は学校に来ているらしいが元々、あいつはクラスが違う。昼休み龍之介が勝手にこっちのクラスに来ていただけなのだ。接点など微塵もない。
たかちゃんは最初、どうしたのか気なっていたみたいだけど、俺が知らないとしか言わないし今じゃなにも聞いてこない。
グランドで他のクラスが体育の授業をしていた。
同じのジャージって事は同学年か……
その中に龍之介がいた。楽しそうにクラスのやつと話している。俺といるより楽しそうにしている龍之介が、見たことない笑顔をしていた。
あんな顔するんだ……
ん……? なんだこの胸のモヤっと感は……?
龍之介がこちらを向いた気がして、俺は慌てて視線を逸らした。
「こら! どこ見てんだ! 茉央、あれやってみろ」
「あ……分かりませ…ん」
先生が俺の頭を教科書で軽く叩いた。
「いって!」
「ちゃんと聞いてろ」
クスクス笑う声が聞こえる。頭を撫でながらもう一度窓の外に目をやった。
俺の前ではあんな風に笑わないのに……
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