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第8話

「千尋、進路どうすんの? 大学いくんか?」 学校からの帰り、たかちゃんが唐突に聞いてきた。 「あぁ?! またその話…まだ保留」 この話、この前もその前もしたのに執拗けぇな……おかんかって! 「なんで?」 「別に大学とか興味ねぇし」 「バカそうに見えんのに、そこそこ頭らしいのに 」 「バカってなんだよ!」 「これ先生が今の成績でいけそうな大学のパンフ渡しとけって頼まれた」 「いらねぇ」 「いいから受けとれよ。せっかくさ先生が考えてくれてんだから」 「いらねぇって」 たかちゃんはそれでもパンフを差し出す手を引かない。俺は仕方なく受け取った。 「ちーちゃん……」 こう呼ぶのは一人しかいない……龍之介だ。俺ん家の前やつが立っていた。たかちゃんは龍之介と俺を交互に見る。 「おまえらまだ喧嘩中なのかよ。なにがあったかしらんが……ちゃんと話し合えってじゃな」 俺はたかちゃんを追いかけようとして、龍之介に腕を掴まれた。 「離せよ! あっ! たかちゃん」 俺とこいつを二人にするなって! 「高田!」 「じゃな! 千尋、りゅーちゃん」 おいいいい!! たかちゃんは俺と龍之介を置いて帰っていった。 たかちゃんのドアホ!!

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