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第9話

「なんの用だよ……次はストーカーか?」 俺ん家の玄関前で龍之介に腕を掴まれていた。 「いい加減離せよ!」 腕を振っても龍之介は離そうとしない。やつが顔を近付けてきた。俺は危険を感じて下に屈んだ。龍之介は顔を玄関のドアに強打し、顔を顰め打った額を手で抑えて唸った。 「いった……ちーちゃんいきなり避けるの反則……」 「おまえが懲りないからだろ! 調子に乗んな! クソが!」 「……千尋の裸は今どんなんだろとか、千尋はどうやって一人ですんだろうとか、触ったらどんな反応すんのかとか……ずっと考えてる。 男だもん!」 「おい! 黙れ! 外でうんなこと言うな! つーか俺だって男だよ!」 「ちーちゃんには純愛なんて通用しないじゃんか!」 「はぁ?! 純愛? 根本的な理由から説明しないといけないのか? 男だ!つってんだろ!」 小声で言い合い、龍之介が俺の腕を掴み俺が龍之介の足を踏んで取っ組み合いを始めた。 龍之介が俺に抱き付き、両脇を掴み持ち上げ、ドアに押し付けた。足が宙に浮いたままの格好で俺は龍之介を睨んだ。

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