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第12話
「あ……だりぃ」
龍之介はあんだけ俺を避けてたくせに、ウザいくらい絡んでくるし、言動はおかしいしで散々な日だった。
「おまけにじゃんけん負けっし……マジ最悪」
掃除当番だった。最後のゴミ捨てで誰が行くってなって、じゃんけんで俺が見事に惨敗したのだった。
ゴミ置き場に袋を投げ入れ扉を閉めた俺は、来た廊下をゆっくり歩いていた。前から来た女三人に声を掛けられ立ち止まった。
名札……一組って龍之介と同じクラスだったか?
「あっあんたでしょ! 龍之介くんをいつも殴ってるの!」
「は?!」
「ちょっと可愛いからって調子に乗ってんじゃないわよ!」
確かにな! おまえより数倍可愛いわ!って違うし!
「ちょっと待て! あいつが……」
「あんたみたいな暴力バカ相手にするわけないじゃない!」
そう言って女三人は廊下を歩いていった。
言いたい放題言いやがって! んなんだよ!
「っっクッソ!!」
持っていたゴミ箱を床に投げた。プラスティック製のゴミ箱が床をバウンドし見事に廊下の窓に激突。派手にガラスの割れる音が響いた。
「あっ、やっべぇ!」
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