正和さんは赤くなった俺の顔を覗き込むと、そのままキスをして舌を絡めてくる。蕩けそうなほど気持ち良くて熱い舌が、口腔をくまなく蹂躙し、煽るように上顎をなぞった。 「は…っん、ぁっ」 　唇を食(は)むように吸い上げられれば、腰骨の奥がずくんと疼き、自身は痛いくらいに張り詰める。既に火照っていた体は敏感で、キスだけで身体も心もトロトロに溶かされてしまい、おかしくなりそうだった。 「まさかず…さん」 　はあはあと胸を喘がせて正和さんにしがみつけば、彼はクスッと笑って制服のネクタイを解いた。 　そのままシャツのボタンを三つほど外されて、合わせ目から彼の手が忍び込んでくる。肌着越しに胸の飾りをきゅうっと摘ままれて、思わず背を仰け反らせると、彼は楽しそうにそこを引っ掻いた。 「は……ぁ、も、もう」 「もういいの？　じゃあ、続きはまた明日だね」 「そん、な……なんで」 「言ったでしょ、何日もかけてするセックスだって」 　そういう、こと……。 　まさかそういう意味だとは思っていなかったので、唖然としてしまう。 　いや、何日もしっぱなしなのも困るけど。 「我慢できない？」 「～～っ、できるし」 「そう。じゃあ今日はしなくていいんだ？」 「へ……？」 「可愛くおねだりできたら最後までしようかなぁって思ったんだけど」 「治ったの……？」 「うん」 「……じゃあ、なんで」 「俺の性格忘れたの？」 　――そうだ、正和さんはこういう人だった。 　ニヤリと笑った彼は、俺の両手をネクタイで後ろ手に縛り、煽るように耳を撫でていく。久々に見た彼のいじわるな表情にゾクリと腰が震えて、瞳がじわりと濡れた。