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第423話
早く正和さんに触ってもらいたくて、強請るように胸を突き出せば、彼はクスリと笑って唇を離す。
「はぁ……も、っと」
「うん?」
「たくさん、きもちくして……」
「いいよ。どうしてほしいの?」
「あ、う、えっと……っ」
「言わないなら、いじわるしちゃおうかな~」
ニヤリと笑った正和さんは再び顔を近づけると、胸の飾りを肌着越しに口に含み、唾液を染み込ませるようにねっとり舐めてくる。
優しく転がしたかと思えば、思い切り歯を立てられて、堪らず背を仰け反らすが、椅子の背もたれが邪魔をして、彼の唇から逃れることはできなかった。
「ぅぅぅ、痛いぃ…っ」
「痛いの好きでしょ」
「好きじゃな――あぁっ、やだ、あっあぁ」
甘噛みしながらもう片方の胸を指先でカリカリされると気持ちよくて、甲高い声を上げながら体をビクビク震わせる。
「ほら、好きじゃん」
「ち、が……弱く、噛んでる、から……っ」
「へえ」
彼が楽しそうに目をスーッと細めるものだから、背筋がぞくりと震えた。嫌な予感に思わず息を詰めて身構えれば、そこをガリッと強めに噛まれる。
いやいやと首を振って抵抗すると、再びそこを甘噛みされて、涙ぽたぽた零して唇をぎゅっと噛んだ。
「っ、う……はぁっ」
「気持ちいいでしょ」
「よくな……ああっ」
「なぁに? 聞こえない」
そう言って、胸の尖端を抓りながら口に含んだ方を吸い上げられると、腰骨の奥がゾクゾク震えて体の熱がかあっと上がる。
「っ……い、い…きもちぃ、です」
「痛いの気持ちいいの?」
泣きながらこくこくと頷けば、彼は満足そうに笑って、そこを指先でクニクニと転がす。
「ほんと純ってドMだよね」
「ドMじゃ、ない――あぁう…ッ、やだ、だめっ、だめ」
「だって痛いの好きなんでしょ。やらしい」
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