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第426話

 驚いて訊ねれば、彼が楽しそうにそう言ったので、思わず息を詰める。  こういうことはあまり好きではなさそうだから、してくれるとは思っていなかった。それに、もし自分からお願いしたとしても、やってくれるようなタイプではない。  現に、経験豊富な正和さんが初めてしたと言うのだから、そういうことなんだろう。  だからこそ、それを俺にだけしてくれたのは特別な感じがして、凄く凄く嬉しかった。 「気持ちよかった?」  顔をかあっと赤く染めて、こくりと頷けば、彼は満足そうに微笑んで俺の額にキスを落とす。 「……正和さん、すき」 「うん、愛してるよ。――って、え? 何で泣くの?」  いじわるだけど、優しくて、誰よりも思ってくれている正和さん。そんな彼のことが大好きで、心の内側から「好き」が溢れて止まらない。 「わかん、ない……なんか、嬉しくて……っ」  彼との距離も、前よりぐっと縮まった気がして、とても幸せだった。  早く彼とくっつきたい。ぎゅって腕を回して彼の温もりを感じたい。 「そんなに良かったの? じゃあ、またしてあげるね」  クスクス笑った彼は俺の頬を指で優しく拭って、唇に触れるだけのキスをする。 「そこに足乗せて」 「ここでするの……?」 「んー、久々だしベッド行こうか」 「あとこれ、解いて?」  正和さんは俺を抱き上げるとベッドまで優しく運んで、後ろ手に縛っていたネクタイも解いてくれた。シャツを全て脱がされて、ベッドに押し倒される。  彼とのちゃんとしたセックスは久々で、これからのことを想像したら緊張して、なんだかドキドキしてきた。  それを知ってか知らずか、彼はニヤリと笑ってローションを手に取ると、見せびらかすように、自分の手にゆっくり垂らす。とろりと流れ出るそれは凄く厭らしくて、見ているだけでとても淫らな気分にさせられた。 「純、力抜いて」

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