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第427話

 そう言った彼は、双丘の狭間に指を忍ばせ、温めたローションで蕾をやんわりと揉みほぐす。静かな部屋に、ぬちゅぬちゃと淫猥な水音が響くと、それさえ刺激となって鼓膜の奥をくすぐった。  それを知ってか知らずか、耳に舌がちゅるりと入ってきてゾクゾクと痺れるような快感が全身を駆け巡る。堪らず彼の胸を押して、逃げるように肩を竦めるけれど、クスッと楽しそうに笑った彼には逆効果だった。 「はぁっん、やっ、それやだぁ……っ」 「純、ほんと耳弱いよね」  濡れた耳朶にふーっと息を吹きかけられて、瞳にじわりと涙を浮かべる。  そうされると、体の奥がじんじんして、ゾクゾクして、なんだかとても変な感じなのだ。  先ほど絶頂を迎えたばかりだというのに、男根はすでに硬く張り詰めて、先端からとろりと透明の蜜を零す。 「ぁ…ぅ、ひゃっ、あっあぁ」  じたばたと(もが)いて抵抗すれば、彼の指がヌプッと入ってきた。長くて厭らしい指が巧みに中をかき回し、体から力が抜ける。  やめてくれ、と抵抗の意を示してたはずなのに、いつの間にか喘ぎ声に変わり、甘美な刺激を受けて熱い吐息を零した。 「あんん…っ、そこっ、だめ、ああっ」 「だめ? じゃあ、こう?」 「ち、ちがっ…やっ、あうう…っ、やだっ、やだ……っ」  奥の方をかき回していた指は、浅いところまで戻ってきてイイトコロを揉むように優しく撫でた。勁烈(けいれつ)な快感に目の前がチカチカする。腰骨の奥がじん……と痺れて、堪らずシーツをぎゅっと掴んで、かぶりを振った。 「もー、わがままだなぁ」  そう言いながら指を二本に増やされて、イイトコロを擦るように中を拡げられたら、再びイキそうになって背を仰け反らせる。彼はそんな様子を楽しそうに眺めながら、突き出した胸の先を指で軽く弾いた。

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