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いじわる彼氏とハネムーン 450

 入国審査を済ませ荷物を受け取った後、タクシーでホテルに向かった。  飛行機であまり眠れなかったから凄く眠い。けれど、もし寝れていたとしても日本だったら今は四時頃だから眠いのは当然だ。欠伸を一つして目を擦れば、欠伸が移ったのか、彼もふぁ~と大きな口を開けている。  普段ならこんな眠い時に動きたくないけれど、旅行が楽しみだから移動もなんとか頑張れた。 「──ひろーい。部屋たくさんあるね」  チェックインをしてから案内された部屋はとても贅沢な作りだった。扉を開けてすぐのエントランスホールは無駄に広いし、その先にあるリビングも大きめのソファセットが置いたあり、シーリングファンが優雅に回っている。  空調も効いているのか暑かった外に比べて、室内はとても涼しかった。  窓からはこの部屋専用のプールが、その奥には海が見える。のんびり寛げそうだ。 「ふぁぁ……」  とりあえず一眠りしたい。  現地時間だと九時四〇分。今寝たらよくない気もするけれど、このままだとぶっ倒れそうだ。 「なんかタイムスリップしたみたい」 「……寝ぼけてる?」 「昨日の夜に出てきたのに、まだ昨日の朝なんでしょ?」 「うん、時差があるからね」  時差があるのは分かっているけれど、前日の朝に戻ってしまうなんて変な感じだ。 「寝室はー……あ、あった」 「奥に大きいベッドがあるからそっちで休もう」 「ん」  開いた扉を閉めて、一番奥の広い部屋へ行くとキングサイズの天蓋付きベッドがあった。テレビでしか見たことないそれに思わず引いてしまう。  いかにも……って感じで恥ずかしいし、ここに男二人で泊まるなんてホテルの人はどう思ったんだろうと少し気になった。  でも柔らかそうな枕がたくさん重ねてあって気持ちよさそうだ。  いそいそと靴を脱いでぴょーんとベッドにダイブする。 「ふかふか……」 「子供みたいな事しないの」 「だって……正和さんもやってみたら? きもちいよ」  正和さんは苦笑して、静かに隣に上がった。 「お昼まで寝よっか」 「え~、もっと寝たい」 「だーめ。夜寝られなくなっちゃうよ」 「……明日の朝まで寝られる気がする」 「じゃあ、ドーナツ一人で食べてきちゃおうかな」 「うぅぅ……正和さんは絶対そんなことしないもん」  もぞもぞと寝る体勢を整えて布団を被る。彼が何か言っていたけれど、眠くてよく分からない。意識を保つのはもう限界だ。  冷房がガンガン効いた寒い部屋で暖かい布団を被って寝るのはなんだか贅沢だな、なんて思いながらすぐに眠りについた。

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