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いじわる彼氏とハネムーン 472
「ん……っ」
けれど、自分が上に乗るのは慣れていないせいか、なかなか上手く受け入れることができない。本来ならすんなり入るくらい後ろは柔らかくなっているはずなのに、緊張して体が強張ってしまう。
「あっ…ぅ……ふ…っ」
──やっぱり、慣れないことはするもんじゃない。
早く入れようと焦ったら、尚更うまくできなくて、泣きたくなってくる。自分からすると言って彼を押し倒したのに、何一つできなくて恥ずかしい。
そんな俺を見兼ねたのか、正和さんは俺の腕を掴んで、そっと上半身を引き寄せた。
「じゅーん。キスして」
「…………」
「ほら、早く。リードしてくれるんじゃなかったの?」
挑発的に言われて、唇を尖らせる。その口でそのまま彼に口付ければ、彼の舌が歯列を割って口腔に入ってきた。舌を搦めとられて、ぐちゅぐちゅと掻き回されて、艶めかしい水音と厭らしい感触に腰骨の奥が震える。
結局彼に主導権を握られてしまって、悔しいやら情けないやら。僅かに残っていた男のプライドは簡単に砕け散った。
「……やっぱ、正和さんがしてよ……」
「んー? 俺のこと泣かせるんじゃなかったのー?」
「それは、もういいか──あぁっ」
胸の尖端をきゅっと摘ままれて、言葉が悲鳴のような甲高い声に変わる。そのままくるくると捏ね回されて、爪の先でカリカリ擦られたら堪らない。淫らな手から逃れるように背を丸めて体をビクビク揺らした。
「ああう……っ」
男根が震える。甘美な刺激にとろりと蜜を滴らせ、きめ細やかな白い肌がぐしょぐしょに濡れる。その先の快楽を待ちわびて鈴口が痙攣し、さらに硬く張りつめた。
「頑張って。ゆっくりやればできるよ」
「~~っ、そんなこと言ったって……」
ぐずぐず文句を言いながらも体勢を立て直し、そっと彼のものを押し当てる。
「そうそう、そのまま腰おろしてごらん」
「あっ、あ……っ」
上手くやろうという気持ちがなくなって緊張が解けたせいか、今度は馴染みがいい。蕾がゆっくりこじ開けられて、体温がじんわり溶け合う。
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