13 / 494
~甘い誘惑~ 13
「なら、もっとタノシイ事でもしてみようか」
彼は小さなビンを取り出すと、中に入っているローションを双丘の狭間にたっぷりとかける。その冷たい感触にまた身を竦めるが、彼の指が蕾へゆっくり入ってきて、体を強張らせた。
「……っ」
違和感に顔を歪めるが、そんな事にはお構いなく指を奥ヘと突き進めてくる。
「ぅ、気持ちわるいぃ……」
体の内を触られるという初めての事に、恐怖と不快感で唇を噛み締める。
「すぐ良くなるよ」
何かが入ってくるべきではないそこを指で触られると、とても気持ちが悪い。良くなるとは思えないし、なりたくもない。
(まだ女の子ともしたことないのに……。てか、そこに指いれるって事はまさか……)
男同士の性行為がどういうものなのか、なんとなく想像できてしまって青ざめる。
「やめ……やだ、やめろ」
暴れて逃げようとするも、彼に腕を頭上で押さえつけられた。
左手で俺の腕を押さえ込み、右手で蕾を弄っているから、必然的に仰向けの俺に跨がる形となり、顔の距離も近くなる。
「じゅーん、言葉遣い。やめろじゃなくて、やめてくださいでしょ」
そう言って唇に触れるだけのキスを落として、中を探るように指を動かす。
「やだ、やだ……あぁ……っ」
「イイトコ見つけちゃった~」
「ち、違っ……ひぁ、あう……んんっ」
中のある一点に触れられると、ゾクゾクと快楽が這い上がってくるような感覚に襲われる。抑えようとしても口からは甲高い嬌声が上がり、いやいやと頭を左右に振った。
その様子を見た彼は満足げに微笑み、指を二本に増やして解すように厭らしく動かしてくる。
「んっ、やだ……お願っ、も、やめ、やめてくださ……っ」
「やめちゃっていいの? しっかり慣らさないと初めては凄く痛いよ」
(そーゆう意味じゃないのに)
この行為自体をやめて欲しいのに、彼がやめてくれる気配はない。どうしたらやめてもらえるか考えていたら、二本の指が同時に引き抜かれた。
安堵したのも束の間、また俺にとっては恐怖でしかないことを言う。
「純は、指が嫌みたいだからローター使おっか」
「……ローター?」
「そう、さっき見せたやつ」
「これこれ」と言って、さっき見せられたピンク色の器具を出した。その使い道は謎だが、絶対良くない物だと言うことはわかる。
「いや!」
また逃げ出そうと暴れれば、彼はそれが気に入らないらしく睨み付けてくる。その冷たい瞳に背筋がゾクリと凍って、獣に捕らえられた小動物のように震えて動けなくなった。
「我が儘ばかり言うなら手加減しないよ」
低く強めの口調で言われて、恐怖で喉がカラカラに乾く。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!