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~甘い誘惑~ 14
しかし、ここで言うことを聞いてしまったら、負けたような気がして、大人しく言うことを聞くなんてことできなかった。後々、この性格が仇 となる。
「やめろ、触んなっ」
「言葉遣いが悪いよ。そんなにお仕置きされたいの?」
彼はお尻をやんわり撫でたあと、指先で蕾をつついて尻尾を掴む。ゾクリとして背を仰け反らせれば、先程ほぐした蕾に尻尾を押し当てられた。その行為で何をしようとしているのかが分かって、逃れようと身を引くが、あっけなく挿 れられてしまう。
「いっ……あっ」
痛いのは挿れる時だけで、中に入ってしまえば痛みは感じなかった。それどころかムズムズとした変な感覚に体を捩る。
「ん、くぅ……ぁ」
抜こうと尻尾を動かしてみるが、思うようにいかず、先ほどの性感帯を刺激してしまう。そのせいで中がキュッと締まって、尻尾を締め付け、頭の天辺から爪先までゾクゾクと快感が駆け巡った。そんな様子の俺を見て、彼は楽しそうに目を細める。
「あ、ん………んんっん」
シーツを握り締めて、グッと快感を堪えていると、彼は俺の手足についた拘束具の鎖を短いものに交換し始める。それをベッドの支柱に繋ぎ直し、手足の自由を完全に奪った。さらにローターを男根の先端に当てて、スイッチを入れる。
ヴヴヴヴヴ……とそれが振動し始めると、悲鳴のような声をもらしてジタバタと踠 いた。
「あぁぁぁ、やめ……あっあぁああん」
目も眩むような快楽に襲われて、一気に射精感が訪れるが、彼の手に阻まれて達することができない。
尻尾で中を刺激され、張り詰めた男根の先端にはローターを当てられているのに、根元を強く押さえられたら、イきたくてもイけなくて、おかしくなりそうだ。
強すぎる刺激に頭を左右に振って、助けを求めるように声を上げれば、彼はボタンをカチカチと操作して、ローターの振動が少し弱まる。
「ん……はな、せ……手、はなせ」
「そんな態度じゃ、離してあげる気はないよ」
もう我慢するのは限界で、涙目になりながら必死に訴える。
「ヤ、ぁ……も、ムリ、放して……」
「泣いても無駄だって言ったでしょ。人に物を頼む時はどうするの?」
たしなめるように言って、男根の先端にキスを落とすと、再びローターの振動を強くした。
「あぁっ……お願い、しま、す……手を、はな、てくださ……やあぁっ」
「声が小さいからやり直し」
「ぅ、う……ひ、っく……お願い、しまっ……あぁっ、だめ、ぃく、いく」
体をびくん、びくん、と揺らして、背を仰け反らせる。
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