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第24話

「大丈夫、怖くないよ。気持ちよくしてあげる」  彼は荒くなった息を落ち着けるように大きく息を吐く。  そして、体を撫でまわす手がいっそう優しくなった。その感触に痺れるような快感が伝い、早くこの熱をどうにかして欲しくてたまらなくなる。 「やだ、やっ、あっぁ」  彼はゆっくりと撫でるように中を弄って、涙を拭うように目元にキスを落とす。くすぐったいような感覚に身じろいで、強請るように腰を揺らすが、イかせてくれそうにない。 「んっ、や……あぁっ」  彼の指が中のイイトコロを掠めると、じん……と痺れたように全身が気持ち良くて、頭を左右に振る。体を捩って抗うが、快楽に支配された身体では何の効果もなかった。 「純、気持ちいい?」 「んっ、知らな……ひゃぁ、ん」  感じるところを刺激されて声が上擦る。だが、明確な刺激はそれっきりで、その後はわざと感じる所を掠めるように指を抜き差しし出す。 「そう? でもさっきから、腰が動いてるよ」  自分で気付かずしていた行為を指摘され、全身が恥ずかしさの色に染まった。 「っ……だっ、て……は、ぁ……」 「だって何?」 「さっき……から、わざと……わざと」  顔がカァーッと火照り、涙がじわっと滲んで視界がぼやける。それを見た彼はクスッと笑って、問いを重ねた。 「わざと?」 「ぁ……ぅ、わかってる、くせに」 「言ってくれなきゃ分からないよ」  彼はクスクス笑うと、乳首と中を撫でるように優しく刺激する。俺がどうして欲しいか知ってるくせに、意地悪だ。 「だって、ぅぅ……バカ」 「それは聞き捨てならないな」  ワントーン声が低くなったものの、この状況をどこか楽しんでるように見えるのは、俺の気のせいなんだろうか。 「純はお仕置きされたいみたいだね」  低くなった声音に身を竦め、反射的に首を左右に振った。 「ぃ、嫌……お仕置きは、やだ………ごめん、なさい」  謝ると目元にキスを落とされて、唇を奪われる。彼の舌が侵入してきて、舌を絡めとられると、いつしか俺もそのキスに応えるようになっていた。 「ぁ、ん……っ、あ……んん」  彼は中に入れていた指をゆっくり回転させて、トントンと刺激する。そして、その指が引き抜かれたかと思うと、すぐに二本の指が同時に入ってきた。中で指を曲げたり、二本の指をバラバラに動かしたり、ぐるりと回転されると、たまらなく感じてしまう。 「んん、ふ……あぁ、っ」 「もう三本入ってヒクヒクしてるよ」 「ん、はぁ、あっぁ……やっ、もっと」  指だけの刺激に物足りなさを感じ始めて、顔を赤らめながら彼にねだった。焦らされた体は早く絶頂を迎えたくて、熱く火照って震えだす。

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