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第34話
「へ、へえ……そーなんだ」
それ以上会話が続けられなくて、俯いて未だにつけたままのエプロンを見つめる。
しばらくして俺のとこに来た彼の手には紙コップがあった。
「これ飲んで」
渡されたカップの中身を見ると、麦茶のような半透明の茶色の液体が確認できる。
「これ何?」
「その耳と尻尾が戻る薬」
「……ほんとに?」
「俺、嘘はつかないよ」
それを聞いてカップに顔を近づけ匂いを嗅ぐ。
これと言って匂いはなく、恐る恐る口に含んでみると少し苦くて、えぐかった。だが、飲めない程ではない。思い切って一気に飲み干し、空になったカップを彼に渡す。
なんだか耳と尻尾が生えてる辺りがムズムズしてくる。それに加えて体が熱い。心臓もドキドキしてきたし、息があがる。
不思議な感覚に戸惑い、両腕で自分の体を抱きしめた。
「はぁ……はぁ……っ」
彼は紙コップをゴミ箱に捨てた後、何かを持って戻ってくる。だが、彼の様子を確認している余裕はない。
腰の辺りがゾクゾクして、その感覚に耐えられなくなって蹲 ろうとしたら、体制を崩し座っていたベッドの端から落ちる。
しかし、彼はそれを見越していたかのように、落ちる前に支えて、ニヤリと笑った。
「一つ言い忘れてた事があった」
「な、に……はぁ、あっ……」
聞き返したら背中をツーっと指でなぞられて変な声が出る。
「さっきの薬にはマタタビも入ってて、今の純には強い媚薬作用があるんだ」
「っ……嘘つか、ないって……言ったのに」
「嘘はついてないよ。その耳と尻尾もちゃんと戻るから」
そう言って俺のことを抱きかかえて、ベッドの中心に移動する。それだけの事なのに触れた所がゾクゾクして、じん……と痺れる感じがした。
彼は優しくおろすと頬を撫で、そっと口付ける。力が抜けた俺を見て楽しそうにニヤニヤ笑みを浮かべ、エプロン越しに胸を撫で回す。
指先を乳首に引っかけるような撫で方に腰が跳ね、甘い声があがった。
「はぁあ、……ぁ、ん」
「ふふ、楽しませてね」
艶っぽい掠れた声で意地悪げに囁き、耳にフーッと息を吹きかける。敏感になっている体はそれだけで感じてしまい、ぼーっとする頭は目の前にいる彼の事しか考えられなくなる。
興奮して尖った乳首をエプロンの上からピチャピチャと舐められれば、快楽の渦に飲まれて、じわりと涙が浮かぶ。たまに強く吸い上げられると気持ち良くて、ついついねだるように胸を押し付けてしまう。
「ぁっあ……んん」
口が離された後は唾液で濡れたエプロンがスースーして、また違った感覚を生んだ。
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