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第36話
彼は先程持ってきていたボトルのキャップをあけると、俺の手を掴みそれを傾ける。手の平に乗ったのはトロッとした透明の液体で、思わず眉根を寄せる。
(ローション……?)
「これで後ろをほぐしてごらん」
「ゃ……むり」
「無理じゃなくてやるんだよ」
座ったままM字に開脚させられて後ろに倒れそうになった俺は、ローションを乗せていない左手をベッドについて体勢を整える。
「イきたいでしょ? 後ろをほぐして可愛く誘ってごらん」
「そん、な……」
彼は俺の顔についた精液をタオルで拭いて、触れるだけのキスをする。ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべていて、これ以上手を出して来る気はないようだ。
中心はトロトロと先走りを零し、刺激を求めてピクピクと震えている。熱を解放したくてたまらず、羞恥で顔を染めながらもそろそろと後ろに手を伸ばした。
ローションを蕾に塗り込めば、彼が楽しそうに見つめてくるから、体はますます感度が上がり少しの刺激でも感じてしまう。
ゆっくりと指を中へ入れ、彼がしてくれるように内壁を優しくなぞる。
「ん、はぁ……っ」
慣れてくると一本の指では物足りなくて、二本の指で中のイイ所を刺激する。そうすると言いようのない射精感が襲ってきて、硬くなった自身を扱こうと左手を前に伸ばした。
だが、その手はあっけなく彼に掴まれて、期待に震えていた男根はとろりと蜜を零す。
「だーめ」
「あぅ、なん、で……っ」
「俺の許可なく勝手に触ったり、イったりしたらダメだって言ったでしょ?」
薬を飲まされてから散々焦らされた体は熱が溜まって苦しくて、開脚している太ももの内側が震える。それなのに、掴まれた左手は自分の左胸へと持っていかれ乳首を触らせられた。
「も、むり……はぁ、ぁ」
「素直だから、イくのは許してあげるよ。乳首と後ろだけでイってごらん」
そう言われて仕方なく、左手で乳首を潰したり摘まんだり弾いたりして刺激する。三本の指で中を広げるようにかき回し、抜き差ししたり、イイトコロを掠めたりと追い上げるが、なかなか達する事ができない。
硬く勃っている中心を少し擦ればイけそうなのに、これでは熱が溜まっていくばかりだ。
早く絶頂を迎えたくてそれ以外の事は考えられず、彼の興奮を煽るには十分過ぎるほど乱れる。
「だ、め……ぁ、出ちゃ……やぁ、出ちゃう」
「そのままイってごらん」
「ぁっあぁ……すぎた、さん、触って、さわって……はぁ、ん」
「可愛いね。でもその呼び方やめようか」
(え、なんて呼べば……?)
ボーッとしてまわらない頭で考える。
「はぁ、ぁっ……すぎた、さま?」
「……それも良いね」
彼は喉をクツクツと鳴らして笑う。
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