「でもそうじゃなくて。名前で呼んで」 「まさかず、さん？」 「そうだよ」 　そう言って俺の右の乳首をペロッと舐める。 「ひゃ、あ」 「手。とめない」 　突然の刺激に驚き止まってしまった手を彼に指摘され、すぐに動かした。胸と後ろを弄りながら必死に懇願(こんがん)する。 「まさ、かずさんっ……もうっ、も、だめ…、はぁ……触、って、お願っ」 　正和さんは胸の尖端を口に含み優しく愛撫する。 「やぁ、前……まえ触って……」 　俺がのねだる姿を見て楽しんでいる様子の彼は、胸の尖端をカリッと噛んだ。 「あぁあぁんっ！」 　本気ではないが割と強めに噛まれたので、普通ならかなり痛いはずだ。だが、俺はその刺激で溜め込んでいた精を放った。 「乳首噛まれてイっちゃったの？」 　恥ずかしくて情けなくて、顔がカァァっと赤くなる。 　しかし、体の熱は一度出しただけではおさまらず、中心は再び元気を取り戻す。先程ほぐした後ろも、ヒクヒクと収縮して思わず腰を捩った。 　これも薬のせいなのだろうか、絶頂を迎えたはずなのに、焦らされてるかのように体が疼き、刺激を求めて震え出す。 「はぁっ……正和、さん」 「どうしたの？」 　正和さんは息の荒い俺を見て、ニヤニヤしながら聞いた。 「っ……いれ、て」 「何を？」 （なにって……） 　分かっているくせに、わざとそんな風に聞いてくる彼はいじわるだ。 「正和さんの……おちんちん、いれて」 「へえ。男なのにちんちん入れて欲しいんだ？」 「っ……」 　改めてそんな事を言われてしまうと恥ずかし過ぎて何も言えなくなる。耳まで真っ赤に染めて、唇を噛んで手はシーツを握り締める。 「欲しいならもっといやらしくねだってごらん」 「はぁっ……そ、なこと、言わないで……もう、意地悪やだ……っ」 「ふふ、そう言われると、ますますいじめたくなっちゃう」 「や、意地悪、しないで……正和さん、いれて……」 　躊躇したものの涙をぽろぽろ零しながら、太ももを掴んで脚を開く。そうすれば、彼は俺のことをそっと押し倒して、額に優しく口づけた。 　触れるか触れないか微妙な触り方で臀部を撫でられて腰を捩れば、彼はクスクス笑って俺が待ちわびていたものを蕾にあてがう。 「はぁ、ん」 　たが、熱く猛った男根で入口をつついたり、素股のように竿で擦ったりと、焦らすようにして中々入れてはくれない。 「ん、正和さっ、おねがい」 「そんなに俺が欲しいの？」 　彼がクスリと笑って聞いてくるので、その問に何度も頷くと、ようやく彼ののものが中に入ってきた。けれど、そう簡単に意地悪はやめないようで。入口付近で挿れるのを止めてしまった彼はニヤリと笑って頬を撫でてくる。 「～～っ、もっと……正和さんの、ぜんぶいれて……あぁっ」 　彼のみ背中に手を回してねだれば、彼の男根が一息に奥まで入ってくる。その感覚に耐えきれず声をあげると優しくキスをしてきた。唇を舐められ、舌を絡め取られる。 　正和さんの舌に口腔を蹂躙されて呼吸が乱れてく。もっともっとと舌を伸ばせば、彼はちうっと吸って唇を離した。 「動い、て……ぐちゃぐちゃに、かき回して」 　我慢できずに腰を揺らすと、彼が息を詰めて、中のものは一段と大きくなった。 　正和さんの顔からは意地悪な笑みが消え、余裕がなさそうに荒々しく口付けて律動を始める。 「あっぁん、はっ、ああん」 　焦らされた体は、あっという間に追い上げられて絶頂を迎え、びくん、びくん、と腰を揺らした。 　ようやく体の熱がおさまって、全身がクタクタで眠くなってくる。彼がまだ抽挿している最中だったが、俺はそのまま意識を手放した。