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第38話
「げほっ……げほっ」
目が覚めると俺は浴室に居た。と言うより、シャワーを顔面にかけられて目を覚ました。それも冷水。かなり冷たい。
浴槽にもたれ掛かるように、床に座らせられていて、正和さんはシャワーを持って目の前に立っていた。
「正和さん……?」
怖い雰囲気の彼に恐る恐る呼びかける。
「セックスの途中で寝ちゃうなんて酷いんじゃない?」
「え、そんな事で怒ってるの」
「そんな事、ね」
思わず声に出して言ってしまい、俺の顔は見る見るうちに青ざめる。
「ぁ、違っ……ごめんなさい!」
「いいよ。純からしたらそんな事なんだもんね」
正和さんはそう言って目をスーッと細めると、シャワーを壁に掛けて俺の体を起こす。無理やり立たせられた後、反対に向けられて、彼にお尻を向ける形で浴槽の縁に手をついた。
そのまま蕾を撫でられて、またされるのかと焦っていると、彼は予想外の事を言う。
「自分で洗って」
言われなくても起きていれば自分のことくらい自分で洗う。不思議に思っていると、彼は蕾にゆっくり指を入れ、くるりと中をひと撫でした。
「んっ……」
「中のやつ自分で広げて出してごらん。見ててあげる」
そう言って彼は指を引き抜く。俺はようやく本当の意味を理解して顔を赤らめた。
「そこに片足かけて」
浴槽の縁に脚を掛けるよう促されて、彼の言う通りにする。これ以上、正和さんの機嫌を損ねたくない。
「こ、こう?」
「そうだよ。指入れて掻き出してごらん」
素直にしたのが良かったのか、先程よりも優しい声音でそう言った。
恥ずかしくて躊躇ったが、どちらにしても自分か正和さんがやることなのだ。彼にされるよりは恥ずかしくなくていいだろうと、自分に無理矢理言い聞かせ、蕾に手を伸ばす。
「ん……っ」
蕾に指を押し当てるとすんなり入った。行為からあまり時間が経ってないせいか柔らかく、すぐに二本の指を飲み込む。
ゆっくりと中を探り、掻き出すようにすると白濁した液体が黒い大理石の床にぼたぼたと落ちる。床が黒いせいで中から出てきたものが際立って見えてとても恥ずかしい。
掻き出しているだけなのに、たまに前立腺を掠めたりすると息が上がってしまうから、なるべく意識しないように頭では別の事を考えながらやっていたら、案外あっという間に終わった。
後ろからシャワーの音が聞こえてきて、床に落ちた白濁したものが流される。これで終わった、と安心したのも束の間、背後から彼の左手が回されて腰を掴まれた。
シャワーを持った右手を下の方へ持って行き、吐水口を上に向ける。先程と違って冷水ではなく温かいが、そのまま蕾に押し当てられたので焦って彼の手を止めた。
「え、何す――」
「中洗わないと、ね?」
腰を押さえていた左手でお尻をクイッと開くと、シャワーの水が中に入ってきて思わず体を捩る。
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