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第42話
ノートで何度も計算しながら、問題集の三分の一ほどは終わらせた。
まだお昼前だけど、疲れたので休憩しようとペンを置く。すると、後ろから手が伸びてきて、色気のある少し低めの声が耳を撫でた。
「ここ、間違ってる」
「っ……」
ビクッと肩を竦め、座ったまま恐る恐る振り返ると唇にキスされた。舐められて思わず緩んでしまった唇を舌で割って入る。
歯列をなぞられ舌を絡め取り、後ろから回した手で乳首を抓られれば、腰の当たりがゾクゾクして、期待に震えた。
「んんっ……ふ、ぁ……」
唇を離す頃には体に力が入らなくて、彼にされるがまま椅子から立たせられる。何をするのか疑問に思っていると、正和さんはその椅子に座り俺を膝の上に乗せた。
そのまま問題集をパラパラと捲って、解き終わった箇所を見た彼はクスッと笑う。
「結構間違ってるね。俺が教えてあげる」
「……仕事は?」
「純があまりにも可愛いことするから手につかなくて」
悪戯でしたキスのことを言われ、何でそんなことをしてしまったんだろうと激しく後悔する。
だってほんとに真面目に勉強を教えてくれるなら、こんな体勢じゃなくて隣の椅子に座るだろう。嫌な予感しかしない。
「じゃあ一ページ目からやろうか」
問題集を最初のページに戻すと、問二の解答欄を指差す。
「証明問題なのにa=4ってどういう事かな?」
「証明とかよくわかんないから答えだけ……」
「こうでこうだからこうなるって証明の文を書かなきゃ。それに答えも何もこんな数字は出てこないよ」
「え……」
頑張って計算したのになぁと思いながら、間違った答えを消しゴムで消す。すると、正和さんがポケットから何かを取り出し、テーブルの上にゴチャっと置いた。見覚えのあるそれに顔を真っ赤にして身震いする。
二つのローターと、丸い玉が連なった棒みたいなやつ、それから赤い色をした蝋燭まであった。ローター以外は初めて見たけど、きっと同じようにそう言う行為をする時に使うものなのだろう。
何をする気なんだと後ろを振り向いたら、そのままキスされた。
「ん、ふ……んん!」
舌を絡めとられ、突き放そうと彼の胸を押したら、その手を捕らえられる。彼は俺の両手をそのまま一纏めにして、左手で押さえると唇を離した。空いてる方の手を下方に伸ばし、内ももをするりと撫でてくる。
「ゃ、何す――」
「ただ勉強してるだけじゃ純も飽きるでしょ? だから間違ったらお仕置き」
「はぁ? 意味分かんないしっ! って言うか、一人でやるから教えてくれなくて良い!」
「一人でやって間違ってるから教えてあげるんでしょ」
そう言って、指で円を描くように蕾を撫でた後、つぷんと中に入れてきた。昨日散々そういう行為をしたせいか、すんなり入ってしまって腰をくねらせる。
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